更年期という時期は、女性にとって大きな転機。
心身ともにさまざまな変化や不調に見舞われ、ネガティブなイメージも付き纏います。
しかし、この更年期という時期をあくまでも転換期と捉え、起こりやすい心身の変化や不調に早めに、そして、 的確に対処していくことでポジティブに自分らしく過ごすことは決して不可能ではありません。
今回は、更年期の女性の多くが抱えがちな髪にまつわる悩みにスポットを当て、その対策として日々の生活でできることをご紹介します。
1.更年期に現れがちな髪の悩みとは?
更年期になると、急激な女性ホルモンの減少により髪のハリやコシ、潤い、ツヤが失われたり、生えてくる髪が少なくなったり、細くなったりします。
それに加えて白髪にも悩まされがちです。
「髪は女の命」という言葉があるように、古来から髪は女性にとって非常に重要なパーツであり、その人の印象を決定づけるといっても決して過言ではありません。
実際のところ更年期に現れがちな髪にまつわる悩みの多くは、女性の美しさに影を落とし、老けて見せる要素となります。
それだけにしっかりと早めに対策を取り、更年期に現れがちな髪の悩みを深刻化させないことが大切です。
2.更年期に現れがちな髪の悩みにアプローチする方法【食事編】
ここでは、毎日の食生活を見直すことでできる対策についてご紹介していきます。
①脂っぽい食べ物や糖質の多い食べ物、塩分の多い食べ物を控える
脂っぽい食べ物は過剰な皮脂分泌を引き起こし、抜け毛、頭皮の不快な臭いやトラブルにつながるリスクが高まります。
また、糖質の多い食べ物は体内のタンパク質と結びついて糖化を引き起こし、髪の成長に悪影響を及ぼします。
その結果抜け毛や薄毛を引き起こしたり、髪のツヤやハリ・コシも損なわれたりする恐れがあります。
塩分の多い食べ物は過剰に摂取すると、高血圧や肝機能の低下などを引き起こし血流が悪くなる可能性があります。
その結果頭皮環境の悪化が懸念されるところです。
そういった食べ物はできるだけ控え、バランスのとれた食生活を心がけましょう。
②食べ過ぎや過度なダイエットも要注意
食べ方にも注意が必要です。
早食いはつい食べすぎてしまい、肥満につながる恐れがあるほか、栄養の吸収に悪影響を及ぼす可能性があります。
そのためよく噛んで食べ、腹八分目を心がけましょう。
行き過ぎたダイエットも栄養不足やホルモンバランスの乱れを引き起こす可能性があります。
「〇〇だけダイエット」や知識のない糖質ダイエットは危険。やめましょう。
③髪にとって必要な栄養素を心がけて摂取する
私たちの髪は日々口にしたものから作られています。
髪にとって必要な栄養素を心がけて摂取しましょう。
■タンパク質
髪の毛の主成分は、「ケラチン」というアミノ酸でアミノ酸はタンパク質です。
そのためタンパク質は髪にとって必要な栄養素。肉や魚、卵などの動物性タンパク質と大豆製品などの植物性タンパク質をバランス良く食生活に取り入れましょう。
■ミネラル
ナトリウムやカルシウム、亜鉛などのミネラルも細胞の代謝などに深い関わりがあり、髪の成長には欠かせない成分です。
ミネラルは海藻類に豊富に含まれており、牡蠣には亜鉛が多く含まれています。
また、乳製品にはカルシウムが、塩や醤油、味噌などにはナトリウムが多く含まれています。
塩分の摂り過ぎには注意しながら、不足しがちなミネラルを心がけて摂取しましょう。
■ビタミン
皮膚や粘膜を健やかに保ち頭皮環境を整える効果が期待できるビタミンAや過剰な皮脂分泌を抑える作用を持つビタミンB2・B6、 細胞を活性化させコラーゲンの生成に作用するビタミンC、血流をよくする効果が期待できるビタミンEなどのビタミンも髪にとって必要な栄養素。
レバーや緑黄色野菜にはビタミンAが、鶏肉にはビタミンB群が、柑橘類などにはビタミンCが豊富に含まれています。
また、ビタミンEはナッツ類やアボカドに多く含まれています。
意識して口にしましょう。
3.更年期に現れがちな髪の悩みにアプローチする方法【生活習慣編】
次に、毎日の生活習慣を見直すことでできる対策についてご紹介していきます。
①適度な運動を行う
運動不足で血行が悪くなると頭皮も同様に血行不良になってしまいます。
そのため適度な運動を心がけ、日頃から体を冷やさない、シャワーではなく湯船にゆったりと浸かるなど血行促進を心がけましょう。
②
睡眠時間が十分でなかったり、睡眠の質が悪かったりすると、自律神経やホルモンバランスが乱れるなどして血行不良を招き、頭皮や髪に悪影響を及ぼす可能性があります。
そうすると髪の成長を妨げるなどして抜け毛や薄毛、髪の質の低下などを招くことになります。
そのため夜は刺激を控え静かに過ごす、寝返りしやすいパジャマを着用するなど睡眠環境や夜の過ごし方などを見直し、 十分な睡眠をとることや睡眠の質を高めることを意識しましょう。
③紫外線を防止する
顔や体の日焼け止めを塗り紫外線を防止しても、頭皮や髪には紫外線対策を行っていないという方が多いのではないでしょうか。
しかし、頭皮や髪にも紫外線は降り注いでおり、それが頭皮環境を悪化させ抜け毛や薄毛などにつながるほか、髪もパサついたり、色褪せたりしてしまいます。
そのため頭皮や髪にもしっかりと日焼け止めを塗ることが大切です。
とはいえ、顔や体に使用するミルクやクリームなどの日焼け止めを塗るのは難しいことでしょう。
そこでおすすめなのが、スプレーやオイルといった形状の日焼け止め。
日傘や帽子も併用しましょう。
④頭皮や髪の状態に応じてパーマやカラーなどを控える
更年期の女性は髪のボリュームダウンや白髪が気になり、パーマでふんわりヘアに仕上げたり、カラーで白髪をカバーしたりする方が多いのでは?
しかし、これらの行為は頭皮や髪にダメージを与え、髪にまつわる悩みを深くしてしまうことも。
そのため頭皮や髪の状態に応じてパーマやカラーを控えることも大切です。
とはいえ、カラーを控えると白髪が目立つという場合にはカラーの頻度を下げ、根元の白髪が気になったら髪用のファンデーションやマスカラなどを使用する、 頭皮や髪に優しいカラーを使用するといったこともひとつの手です。
また、髪のボリュームダウンをカバーするためのパーマは分け目を変えたり、コテなどを使用したりすることでカバーできることも。
できるだけ頭皮や髪に負担をかけないよう注意しましょう。
⑤ストレスを溜めない
強いストレスを感じると自律神経やホルモンバランスの乱れを引き起こし、頭皮の血行不良や過剰な皮脂分泌などを招いて頭皮環境の悪化につながります。
その結果抜け毛や薄毛、白髪などを引き起こすことに。
とはいえ、現代人にとってストレスフリーな生活を実現するのは難しいこと。
そのため日頃から発散できるような趣味などを持ち、ストレスを溜め込まないようにしましょう。
⑥禁煙する
タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる働きがあり、喫煙の習慣があると血行不良から髪に栄養が行き渡らないという事態を招く可能性があります。
その結果髪の成長を妨げ、抜け毛や薄毛、髪の潤い・ツヤ不足などの悩みを引き起こすリスクが上がります。
この機会にぜひ禁煙を検討してみてください。
⑦過度の飲酒は控える
適度な飲酒は血行を促進する効果も期待でき、休肝日も定期的に設ければ悪いことではありません。
しかし、過度の飲酒は髪の成長を阻害し、抜け毛や薄毛の原因となってしまうことがあります。
また、過度の飲酒は睡眠の質の低下を招くことにもつながります。
できれば週に2回程度休肝日を設け、ビールであれば500mL程度を目安にご自分のアルコール摂取量とそれとの付き合い方を見直すことが大切です。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、更年期の女性の多くが抱えがちな髪にまつわる悩みにスポットを当て、その対策として毎日の生活でできることについてご紹介しました。
まずはできることから取り組み、ぜひ長期的に続けてみましょう。