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更年期とは?何歳から?女性だけ?知られていない更年期の謎5選

30~50代の女性の会話で話題にもなる「更年期」
更年期という言葉自体はよく耳にするものの、なぜ更年期になるのか、どうなったら更年期なのか、そもそも更年期とは何か、よく知らないという方も少なくないのではないでしょうか?
今回は身近なお友だちや家族にも説明できるように、知られていない更年期の謎をわかりやすく解説していきます。

目次
  1. 1.結局のところ「更年期」ってなに?
  2. 2.更年期って何歳から何歳までなの??
  3. 3.更年期は女性だけの病気じゃないってホント?
  4. 4.どうやって更年期と付き合ったらいいの?
  5. 5.更年期の「微熱」コロナじゃないか心配!

1.結局のところ「更年期」ってなに?

結局のところ「更年期」ってなに?

更年期は女性の加齢に伴う変化の一つです。
日本産科婦人科学会は『閉経の5年前後の合計10年間』と定義しています。
更年期には閉経に伴う女性ホルモンの分泌の変化により、全身にいろいろな症状が現れます。

更年期を迎えて初めて経験する症状のうち
他の病気でないことがはっきりしている症状を「更年期症状」とよびます。
さらには、普段の生活がままならないくらい症状がひどい場合を「更年期障害」とよびます。
更年期症状は
①顔のほてり・のぼせ(ホットフラッシュ)・発汗などの血管運動神経症状
②易疲労感・めまい・動悸・頭痛・肩こり・腰痛・関節痛・足腰の冷えなどの身体症状
③不眠・イライラ・不安感・抑うつ気分などの精神症状
など、全身に症状が現れるのです。
 
現時点で「この症状があるから更年期障害!」のという明確な診断基準は存在していません。
更年期の女性が、精神的・身体的にさまざま症状がある場合に更年期を疑います。

病院では下のような『日本人女性の更年期症状評価表』を記載し、更年期の診断に使用することがあります。

日本人女性の更年期症状評価表

症状 症状の程度
1.顔や上半身がほてる
2.汗をかきやすい
3.夜なかなか寝付かれない
4.夜眠っても目を覚ましやすい
5.興奮しやすく、イライラすることが多い
6.いつも不安定がある
7.ささいなことが気になる
8.くよくよし、ゆううつなことが多い
9.無気力で、疲れやすい
10.目が疲れる
11.ものごとが覚えにくかったり、物忘れが多い
12.めまいがある
13.胸がどきどきする
14.胸がしめつけられる

15.頭が重かったり、頭痛がよくする

16.肩や首がこる
17.背中や腰が痛む
18.手足の節々(関節)の痛みがある
19.腰や手足が冷える
20.手足(指)がしびれる
21.最近音に敏感である
[引用:日本産科婦人科学会生殖・内分泌委員会:「日本人用更年期・老年期スコアの確立と HRT 副作用調査小委員会」報告 ─日本人女性の更年期症状評価表の作成─.日本産科婦人科学会雑誌 2001; 53:883―888(III)]
 
「更年期かも?」と思って、心配な方は一度チェックしてみてください。
複数の項目にチェックがつく、強をチェックする項目が多いようであれば、はやめに医療機関を受診することをおすすめします。

2.更年期って何歳から何歳までなの??

更年期って何歳から何歳までなの??

更年期は「閉経の5年前後の合計10年間」と定義されています。「閉経」という言葉も40代の女性がよく耳にするとおもいますが、閉経とは月経(生理)が完全にとまってしまう状態を指しています。
どのような状態を月経が止まったというのかというと、1年以上月経が来ないことを確認して初めて「閉経した」と婦人科的には言っているのです。そして1年前の最後の月経の日の前後5年間が更年期となるのです。
日本人女性の平均的な閉経年齢は50歳前後と言われています。
そのため45歳から55歳を更年期と呼ぶのが一般的です。
しかし閉経の年齢にもは10歳程度のばらつきがあるので、更年期を40~60歳と考えることも多くなっているようですね。

3.更年期は女性だけの病気じゃないってホント?

更年期は女性だけの病気じゃないってホント?

女性の更年期は女性ホルモン(エストロゲン)の減少で症状が現れます。
実は、男性も40~60歳代になると、男性ホルモン(テストステロン)が減少してきます。
すると、女性の更年期と同じような症状が現れ、「男性更年期」と呼ばれています。

女性の更年期は閉経前後5年間と言われますが、男性の場合は「閉経」がありません。
目安となるのはその年齢で、40歳以降の男性には何歳でも発症する可能性があるのです。
社会的にもあまり有名ではないので、自分が男性更年期だということに気づいていない人も多いのが実状です。
もし身近な男性で更年期の症状が現れている人がいるようであれば、男性更年期があることを教えてあげてください。症状がひどい場合は「泌尿器科」で治療する方法があることを伝えられると、男性の方も安心できるかもしれませんね。

4.どうやって更年期と付き合ったらいいの?

どうやって更年期と付き合ったらいいの?

更年期は時期も、症状が続く期間も、症状の強さにも個人差があります。 
症状が強い場合は婦人科で内服や注射でホルモン補充療法をする方法があります。   
身近な対処方法としては、規則正しい生活とバランスの取れた食生活が基本です。  
ストレスを減らし、体と心を休めることで、ホルモンバランスの乱れを緩やかにできるといわれています。
ご自身の体や心のサインに耳をかたむけ、無理しないことが更年期と上手に付き合っていくための大切なポイントです。

5.更年期の「微熱」コロナじゃないか心配!

更年期の「微熱」コロナじゃないか心配!

最近の新型コロナウイルス感染症の拡大により、「毎日熱を測っている」という方もいらっしゃいますよね。 
更年期になると、女性ホルモンのバランスが乱れます。
その結果、急に体がほてったり、汗が出たり、微熱が出たりすることがよくあります。 
  
いつもよりちょっと熱が高いと、「コロナかも?」と不安になってしまう方も多いでしょう。
新型コロナウイルス感染症の場合には、微熱よりも37.5度以上の高い熱が出ることが多く、咳や鼻水・倦怠感・味覚障害・嗅覚障害など発熱以外の症状が出現することが多くなっています。 
更年期では、倦怠感を自覚する人は多いのですがそれ以外の症状が出現することはまれです。  
また、更年期の場合にはその症状に波がありますので、数時間して更年期の自覚症状が落ち着いてくると、熱が下がってくる可能性があります。   
けれども、「更年期だから、大丈夫」とは過信せず症状に注意して、新型コロナウイルス感染症が疑わしい場合には、新型コロナウイルス感染症対応ができる病院を受診するようにしてくださいね。

「更年期」は男性・女性ともに、ほとんどの人に症状が現れる病気です。 
けれども、その症状や期間にはばらつきがあり、自覚症状のない人もいます。 
 
更年期についてよく知って、上手に付き合っていくことで、すこしだけ毎日が暮らしやすくなります。
更年期と上手につきあい、40~60歳の女性として一番輝く時期を、楽しい体験や思い出で彩っていきましょう。
 

ライター:Akari

現役看護師として、腎臓・循環器、糖尿病患者さんの看護に携わっています。
約20年の看護師経験を活かし、医療ライターとしても活躍中です。

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