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更年期の辛い症状を軽減したい!おすすめのアロマとの付き合い方

女性にとって大きな転換期とも言える更年期は、ホットフラッシュや精神的な不調などの辛い症状が起こりやすい時期です。この辛い症状を乗り切るひとつの手段として注目したいのが、「アロマ」です。今回は、更年期におすすめのアロマとの付き合い方を詳しくご紹介します。

目次
  1. 1.更年期とはどのような時期なのか?
  2. 2.アロマとは?
  3. 3.更年期におすすめのアロマとは?
  4. 4.まとめ

1.更年期とはどのような時期なのか?

更年期とはどのような時期なのか?

更年期におすすめのアロマとの付き合い方をご紹介する前に、改めて更年期とはどのような時期なのかおさらいしておきましょう。
 
更年期とは、閉経前後の10年ほどの時期を指します。50歳くらいで閉経する人が多く、45歳から55歳くらいの時期が一般的に更年期と考えられています。
 
この10年くらいの時期に卵巣機能が低下して女性ホルモンの一種である「エストロゲン」の分泌が減少します。そして、閉経後にはエストロゲンは分泌されなくなります。

更年期には、精神的にも肉体的にもさまざまな辛い症状に見舞われますが、その症状には個人差があります。

ホットフラッシュやほてり、めまい、イライラ、情緒不安定といった、更年期の代表的な症状は更年期障害と言われ、日常生活に支障をきたすこともあります。

2.アロマとは?

アロマとは?

アロマはアロマテラピー(フランス語)、アロマセラピー(英語)の略で、植物から抽出された芳香物質である精油(エッセンシャルオイル)を使用して心身の健康やストレス解消などを目的とする自然療法です。

古代から香りが持つ力は注目され、医学や薬学、香水などさまざまな分野でアロマは用いられてきました。しかし、日本での歴史は一説によると1970年頃からと言われており、そう古くはありません。

現在の日本では、精油をキャリアオイル(植物油)で希釈したものでマッサージなどを行なったり、香りを拡散させたりといったように美容やリラクゼーションを目的として使用されることも多く、私たちの生活にとても身近なものになっています。

精油が持つ効能
精油の種類は非常に多く、それぞれにいくつかの効能があることがほとんどです。ストレスや不安を軽減するもの、血液の流れを促進するもの、筋肉の緊張を緩めるもの、体内の老廃物の排出を助けるもの、細菌の増殖を抑え感染を予防するものなどが期待できると言われています。

また、エストロゲンの減少は体内の活性酸素を増加させ新陳代謝を妨げる要因にもなってしまいます。その結果シミも発生しやすくなってしまうのです。

精油の選び方
アロマオイルといった製品名で販売されているものの中には、純粋な精油とは異なるものがあります。そのため精油の選び方には注意が必要です。できれば信頼できる専門店で、100%植物から抽出された精油を選ぶことが大切です。

精油を取り入れる上での注意
精油が持つ効能は非常に多く、症状や気分などに応じて使い分けることもできますが、その一方で取り入れる上でいくつか注意点があります。

1つ目は、病気や体の状態によって使用できない精油などがあるということです。例えば飲酒中や集中したい時、これから日光を浴びる時、肌が敏感な時などに使用してはいけない精油があります。注意しましょう。

また、香りが合わず気分が悪くなることも考えられます。更年期障害の場合その症状の程度や持病があるなど体調に不安を抱えている人は、医師に相談の上、始められることをおすすめします。

2つ目は、更年期は肌が不安定となりトラブルも起こしやすい時期であるという点です。精油をそのまま肌につけることはそもそも禁じられていますが、希釈しても肌に合わないことがあります。そういった場合にはすぐに使用を中止し、肌トラブルが起きた場合などにはすみやかに受診しましょう。

このほか、希釈する基材によって使用感や肌への馴染みなども変わってくるほか、希釈する割合、精油の使用期限、保管方法などにも知識を必要とします。商品の裏面の注意書きに従うのはもちろんのこと、精油を販売しているショップのアロマテラピストなどのアドバイスを受けて始めるのもひとつです。

3.更年期におすすめのアロマとは?

更年期におすすめのアロマとは?

ゼラニウム精油の芳香浴
公益社団法人日本アロマ環境協会の調査結果によると、女性特有の症状を和らげる作用があると言われるゼラニウムの精油が更年期に現れる症状に対して影響を与えることが明らかになっています。

同調査によると、40歳から52歳の月経開始が不規則な女性19名を2グループに分け、ゼラニウム精油を1%希釈したものを垂らしたシールと精製水を垂らしたシールを1ヶ月ずつ付けて過ごしたところ、ゼラニウム精油を付けたグループは精製水を付けたグループと比較して更年期症状の改善の程度が有意に良い結果となったのだそうです。

ゼラニウム精油を付けたグループは、血中ホルモン濃度を大きく変化させることなく、不安感の軽減や肌・髪の潤い、抜け毛の少なさといった状態実感がアップしたということです。

そのため最もおすすめの方法としては、ゼラニウム精油の芳香浴と言えます。芳香浴とは精油を拡散して香りを楽しむ方法で、手軽なものだとハンカチやティッシュなどに1、2滴垂らして近くに置いておくという方法があります。

このほか、アロマディフューザーやアロマポットなどの専用器具を使用して楽しむ方法もあります。好みやライフスタイルに応じて続けやすい方法で行いましょう。

ラベンダーやローズゼラニウムなどの精油を植物油で希釈したものでのマッサージ
公益社団法人日本アロマ環境協会は、更年期症状が認められる45歳から60歳の既婚女性90人を対象として3つのグループを編成し実験しました。1つ目のグループには精油(ラベンダー、ローズゼラニウム、ローズ、ローズマリー)を植物油(アーモンド油と月見草油)で希釈したものを使用したマッサージを行ったのだそうです。

そして、2つ目のグループには白色ワセリンを使用したマッサージを行い、3つ目のグループには何も行いませんでした。マッサージを行った2つのグループは30分間のマッサージを週に2回、4週間にわたって行いました。

その結果マッサージを行った2つのグループは更年期症状が軽減され、特に精油を使ったグループに関してはその効果が顕著であったそうです。

ゼラニウム精油とローズオットー精油の香りの刺激で女性ホルモンの分泌量が上昇
公益社団法人日本アロマ環境協会は、40代の女性15名を対象に10種類の精油を用いた実験を行った結果、ゼラニウム精油とローズオットー精油の香りによる刺激で、唾液中のエストロゲン濃度が有意に上昇したことを明らかにしました。

他に用いた8種類の精油は、イランイラン、オレンジ・スイート、カモミール・ローマン、クラリセージ、ジャスミン、ネロリ、フランキンセンス、ラベンダーです。

測定方法は、希釈した精油と空気または溶剤のみと空気を混合した気体を、それぞれ20分間吸入し、吸入前後の唾液を採取して比較したものです。

4.まとめ

まとめ

このように日常にアロマを取り入れることで更年期の辛い症状を緩和させる効果などが期待できることが明らかになっています。ただし、精油の取り扱いに注意する必要があるほか、精油自体も100%植物から抽出されたものを選ぶなど気を配る必要があります。

また、アロマのほか、適度に運動をする、没頭できる趣味を持つなど更年期症状を緩和させる効果が期待できることを日常に取り入れていくことが大切です。ぜひできることから少しずつ始めて辛く感じられる更年期という節目を自分らしく乗り切りましょう。

【参考資料】 
https://www.aromakankyo.or.jp/pdf/news/939/20181018_geranium_menopause_web.pdf
https://www.aromakankyo.or.jp/pdf/news/43/150310_AEAJnewsrelease.pdf
https://www.aromakankyo.or.jp/pdf/news/417/web_%20estrogen_final.pdf 
 

ライター:遠藤幸子

美容ライター、エイジング美容研究家

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