突然上半身が熱くなってほてりを感じたり、大量の汗が出るという症状はありませんか?
実は「ホットフラッシュ」という更年期の代表的な症状なんです。
突然起きる症状なので、不安に感じる人もいらっしゃると思います。
症状のメカニズムと、対処方法を正しく理解して、不安なく毎日を過ごしていきましょう。
1.なぜ「ホットフラシュ」がおこるの?
約6割の女性が経験する更年期の代表的な症状で、1割の方には治療が必要だと言われています。
更年期には女性ホルモンの分泌が少なくなり、自律神経の一つの交感神経の調整がうまくいかなくなります。
交感神経は血管の収縮・拡張のコントロールをつかさどっています。
その神経がたくさん集まっている上半身・特に顔を中心にカーっとした熱さを感じたり、汗をかくなどの症状が強く出るようになるのです。
2.ホットフラッシュとうまく付き合う方法 5選
誰にとっても、ホットフラッシュは心地よいものではありませんが、上手に付き合っていくための、いろいろな方法があります。
今回は、その中から厳選5選をご紹介していきます。
2.1.病院で治療を受ける
婦人科で女性ホルモンを補充する「ホルモン補充療(HRT)」と呼ばれる治療が一般的です。
更年期の女性ホルモンは一定の割合で減っていくのではなく、たくさん分泌される時間と少ない時間のばらつきがあるのが特徴です。ばらつきが少なく、徐々に女性ホルモンが減っていくのであれば、更年期の症状は軽くなると言われています。
女性ホルモンは「卵胞ホルモン」「黄体ホルモン」の2種類が分泌されています。ホルモン分泌の周期にあわせて2種類のホルモン剤を上手に組み合わせ、自然な女性ホルモンのバランスを作っていきます。
ホルモン補充の方法は、飲み薬と貼り薬、塗り薬の3種類があります。
副作用は自分のホルモンと女性ホルモンのバランスが取れる、2-3か月目までに吐き気や胸の張り、おりものなどがみられることがあります。副作用を強く感じる場合は薬の量や組み合わせを調整し、あなたにあった治療を行うことで 更年期のつらい症状を軽くすることができます。
2.2.自律神経をコントロールする
自律神経のコントロールで大切なことは、ホットフラッシュの時に強く働く「交感神経の働き」を 抑えることです。そのためには交感神経と反対に、リラックスするときに働く「副交感神経の働き」を優位にする必要があります。
意識的にリラックスするのは、少し難しく感じるかもしれませんが、睡眠・休息を十分にとり、疲れやストレスを貯め込まないことが大切です。
日常的にリラックスする時間を長く持つと、副交感神経がしっかりと働き、ホットフラッシュを起こしにくい、自律神経のバランスが取れるようになってくるのです。
2.3.冷えやほてりへの対処
ホットフラッシュの際には、汗をたくさんかきますので、汗で冷えないように通気性の良い、汗の乾きやすい服を着るようにしましょう。
汗が目立つのが嫌だという時は、色の濃い化繊の服よりも、コットンやシルクなど肌に優しく、柔らかい色合いの服を選ぶと良いでしょう。
さらに上半身には汗をかきますが、逆に下半身は冷えやすくなっています。体が冷えてしまうと、全身を温めるために交感神経が強く働きます。交感神経が強く働いてしまうと、ホットフラッシュの症状も出やすくなりますので、冷えには注意したいですね。
2.4.超カンタン!リラックス呼吸法でコントロールしよう
薬を使う、使わないにかかわらず、ある程度は自分で対応ができるスキルが身につけられると、突然のホットフラッシュに、不安を感じることが少なくなります。そのために必要な「自律神経のコントロール」を身につけましょう。
ホットフラッシュの症状を軽減するためには「副交感神経」を優位にすることが必要です。そのために、一番簡単な方法では「お腹の底からゆっくりと深呼吸をする」ことです。
ポイントは
1,お腹の中の息を全部吐ききる
2,鼻からしっかり吸う
3,口から吸ったときの倍くらい時間をかけて吐く
この3つだけです。
5~10回繰り返していくうちに、すこしずつ深い呼吸になり、吐く時間を長くできれば より効果的です。ホットフラッシュの症状が出そうなときは、ゆっくりとした深呼吸を試してみましょう。
2.5.アロマやハーブティーがリラックスを誘う
お薬と違い、アロマやハーブティーはゆっくりと体質を改善します。
最近の研究では、更年期の女性には「ゼラニウム」が効果的であると発表されました。と聞いても、どんな方法で、どれぐらいの頻度で使用していいかわからない、体に合っているのか不安を感じる人もいらっしゃるでしょう。一番手軽な選び方は「緊張をほぐす」「リラックス」「穏やかな気持ち」と書いてあるものを選ぶ方法です。
ハーブティー専門店では、更年期の方の症状を軽減する特別なブレンドを行っているところも少なくありません。毎日の飲み物からすこしずつ体質を改善する方法は、お手軽でオススメです。ぜひ、試してみてくださいね。
3.まとめ
長い人だと、10年近く付き合うこともある更年期。ホットフラッシュは代表的な症状で、急に症状が現れます。
その症状で、人と逢いたくない、出かけたくないと感じる人も少なくありません。
40歳~50歳の人生を楽しめるように、ご自身に合った方法で上手に付き合っていきたいですね。
ライター:Akari
現役看護師として、腎臓・循環器、糖尿病患者さんの看護に携わっています。
約20年の看護師経験を活かし、医療ライターとしても活躍中です。