夫のちょっとした発言や行動、今までだったら気にも留めないような些細なことで、イライラすることはありませんか?
実は、40代以上の女性におきる不調の最大の原因は『更年期』と言われ、「イライラ」はその代表的な症状なんです。
この記事では、気になるイライラの原因と対処法について、お話ししていきます。
1.イライラはなぜ起こるのか?
更年期は女性ホルモンの分泌が少なくなることが原因です。
女性ホルモンは自律神経と密接に関連しています。
自律神経は①交感神経 ②副交感神経 と2つの働きを持ち、交互に切り替わっています。
元気なとき・はつらつとしている・緊張しているときに交感神経が働き、リラックスし穏やかな気持ちであれば副交感神経が働くというイメージです。
今までであれば、神経の切り替わりもスムーズでしたが、女性ホルモンの乱れがおきると切り替えがうまくできなくなります。
結果として脳がパニックを起こして、イライラする・気分が不安定になる・気分がすぐれないなどの気持ちの変化が出やすくなるのです。
2.イライラはいつまで続くのか
更年期は閉経するまでの、5~10年続くと言われています。
思っていたよりも長い期間だったという方も、少なくないのではないでしょうか?
「イライラ」した気持ちは対人関係にも影響を与えてしまいますので、女性ホルモンに支配されず、自分らしくうまく更年期と付き合っていきたいですね。
3.これからの私のために、今からできること
では私たちはどうやって更年期と付き合っていけばよいのでしょうか?
女性ホルモンを増やすことは、意識や食べ物だけの力ではできません。
婦人科でホルモン補充療法をうけたり、漢方やサプリで体質を改善する方法もあります。
最近では、病院や薬に頼らず更年期と付き合う女性が増えています。
おすすめする方法は、日常生活を整え、女性ホルモンが乱している自律神経を自分でコントロールすることです。
副交感神経というリラックス神経を自分で働かせるようにする、体にとって一番自然な方法です。
では具体的にはどうしていったらよいのでしょうか?
適度な運動のすすめ
適度な運動は緊張をほぐし、体の血の巡りを良くしますので、ぜひ取り入れていただきたい生活習慣です。
更年期の女性に、特におすすめする運動はヨガやピラティス、ストレッチなど、ゆっくりと負担なくできるものです。
これらに共通していることは、ゆっくりと深い呼吸を意識し、体のすみずみまで意識して酸素を届けるという点です。
「イライラ」して交感神経が優位になると、呼吸が浅くなって、全身に力が入ってしまいます。
深い呼吸をすることで、イライラを抑える副交感神経が優位に働き、全身の緊張がほぐれ、体に十分な血液と酸素が届けられます。
その結果、イライラした気持ちが抑えられ、肩こりや冷え性を和らげたり、抑うつ的なココロにも良い影響を与えることができるようになります。
質の良い睡眠がすべてをととのえる
イライラしているときには交感神経がよく働くので、眠りも浅くなってしまい、気も休まりません。
反対に副交感神経の働きが強くなると、寝つきが良くなる、ぐっすり眠れる、すっきりと目が覚めるというように、睡眠に対する満足感は高くなります。
更年期の女性は眠りが浅く睡眠への満足感が低いと言われていますので、ぜひ改善していきたいポイントです。
静かで落ち着ける、穏やかな環境で眠りにつきましょう。
眠れなくても、横になる習慣をつけることも大切です。
ベッドで横になると、自動的に副交感神経が働いてくれるわけではありません。
慣れないうちは、運動の時よりも、難しく感じると思います。
いろいろな考えが頭の中を巡り、またイライラしてしまうかもしれませんね。
毎日少しずつ繰り返していくことで、良質な睡眠が取れるようになるといわれています。
あせらずに、自分にあった眠りへの習慣を見つけていけるといいですね。
どうしてもイライラする時におすすめの方法
深い呼吸を意識して、全身の力を抜き、体のすみずみまでリラックスするイメージを描きましょう。
「リラックスするイメージを描く」ことは、交感神経から副交感神経へスイッチを切り替えるスイッチになります。
慣れてくると、数秒~数十秒という短い時間で、副交感神経の働きを強くすることができます。
少しずつですがイライラした気持ちが和らぎ、些細なことは受け流せるようになっていくでしょう。
そうすれば、更年期とうまく付き合っていく自信がつきますので、上手に自分でコントロールできるようになっていきたいですね。
4.まとめ
この年代の女性特有の悩みである更年期。
症状や程度は人それぞれですので、お友達やネットの情報と比較する必要はありません。
無理をしない、自分らしく楽しい人生を意識して、上手に更年期と付きあっていきましょう。
ライター:Akari
現役看護師として、腎臓・循環器、糖尿病患者さんの看護に携わっています。
約20年の看護師経験を活かし、医療ライターとしても活躍中です。